いとをたぐりよせ
さびたはりにとうす
すれるおとが
みみにさわります

おもいでのつまったくたびれたぬのと
がくぶちのなかふたりきり
やせこけたかお

かなしいからだえていた
おにんぎょうさんはこわれて
うでがとれておめめがない
つぎはぎあわせで
なおしてよ

ひとりぼっちのへやのなか
おにんぎょうさんとおしゃべり
あいそうがわるくて
わらわないこだね
おかあさんがいうの

ひとりさびしいおゆうしょく
おにんぎょうさんとたべるの
さめたひとかけのパンと
トマトのスープにうつるわたしのおかお

ちいさくうたう
らららのこえは
つめたいへやに
すこしだけひびいて

まんなかにすわる
わたしのずじょうできえた
さびしいね
さびしいよ
どこもかしこもくさってゆく

ひとりぼっちのへやのなか
おにんぎょうさんとおしゃべり
あなたはわるいこなんかじゃないから
おにんぎょうさんがいうの

ひとりさびしいおゆうしょく
おにんぎょうさんとたべるの
さめたひとかけのおおきなおにくと
あかくろ
ぜりー

いつかのえほんのなかでは
たのしそうにわらうかぞく
まほうのせかいと
わたしのせかいは
こんなにも
ちがうの

みぎてににぎったさびしさに
'あるだけ'のあいをつめこむ
しずかなそこには

ひとかけのははが
さらにのりこちらをみつめて

Composição: Machigerita-P